こんにちは!
会計士のたまごちゃんです。
今回の記事では、
公認会計士の資格に興味があるけど、試験の全体像がつかめない
凡人でも合格できるって聞いたけど本当?
勉強時間はどれくらい必要?
となかなか試験の概要がイメージしづらい皆さんに
公認会計士試験の実態、その真実について、私の経験談を交えながら、お話していきます!
この記事を読むと、
公認会計士試験をより理解することができる
ようになります。
私は、試験に関する事前の下調べが不十分でたくさん苦労した経験があるので、
皆さんにはしっかりと理解しイメージを落とし込んだうえで、挑戦するかどうかを判断していただきたい
と思い、本記事を書こうと思いました。
情報収集を怠ると圧倒的に不利となる試験なので、
公認会計士に興味のあるあなたには、本記事を一読することをおすすめします!
公認会計士試験の概要
- 試験は1段階2回 → 短答式試験(4科目、年2回実施)と論文式試験(5科目、年1回実施)
- 短答式試験に合格した者は、その後2年間は短答式試験が免除される。
- 論文式試験は、科目合格制が導入され、合格した科目については2年間免除が受けられる。
- 受験資格要件はなく、だれでも受験可能
- 合格率は10%前後
短答式試験
- 科目:財務会計論(200点)、管理会計論(100点)、監査論(100点)、企業法(100点)
- 受験時期:12月と5月
- 出題形式:マークシート
- ボーダーライン:年によって変動するが、全体の7.5割(375点)を獲得していると安全ライン
- 足切り制度:1科目につき、その満点の40%を満たさず、かつ原則として答案提出者の下位から遡って33%の人数に当たる者と同一の得点比率に満たない者は不合格
- 合格率:ここ10年の平均合格率は、第I回16.1%、第II回12.1%
論文式試験
- 必須科目:会計学(財務会計論200点+管理会計論100点)、監査論(100点)、企業法(100点)、租税法(100点)
- 選択1科目(100点):経営学、経済学、民法、統計学
- 受験時期:8月
- 主題形式:論述形式
- 合格率:35%前後
- ボーダーライン:年によって変動するが全体の52%前後
- 足切り制度:1科目につき、その得点比率が40%に満たないもののある者は不合格
短答式試験科目の概要
短答式試験に合格しなければ、論文式試験を受験することはできません。
短答式試験は会計士受験生にとって、第一関門となります。
上記の合格率を見て分かるように、
公認会計士試験の一番の難関が、短答式試験であると考えてよいでしょう。
マークシート形式で、暗記していれば解ける問題が多くなるため、
どれだけ細かいところまでチェックし、暗記できているかが問われる試験となっています。
直前期の詰め込みが重要になってきます。
財務会計論(200点)
財務会計論は、計算部分の「簿記」と理論部分の「財務諸表論」に分かれています。
財務会計論は、公認会計士試験の必須科目の中で最も配点が大きく、その分長い勉強時間が必要です。
・簿記
簿記の手続きの理解に必要な基本原理、仕訳、勘定記入、帳簿組織、決算及び決算諸表の作成に関わる問題が出題されます。
・財務諸表論
簿記で学ぶ会計処理に関して、理論的に説明する問題が出題されます。
基本的な考え方ができるようになれば、知らない範囲の問題も推測で解けるようになるでしょう。
管理会計論(100点)
管理会計論の短答式は大きく分けると、原価計算編と管理会計編の2つに分けることができます。
「原価計算」と「管理会計」はそれぞれ「計算問題」と「理論問題」が出題されます。
こちらの科目は、得意と苦手がはっきり分かれてくる科目となっているので、
味方にしてしまえば強いですが、
どうしても苦手な方は半分とれていれば上々であると戦略を練る人も多いです。
監査論(100点)
監査論は、公認会計士の独占業務である「監査」に関する科目です。
短答式試験は、多くの問題が監査基準委員会報告書を少し改変して作成されています。
監査基準委員会報告書をマスターすることで、高得点を狙うことができます。
企業法(100点)
企業法の短答式試験は、会社法・商法・金融商品取引法に関する問題が出題されます。
こちらは完全に暗記科目なので、暗記力勝負です。
論文式試験科目の概要
短答式試験を突破すると続いて論文式試験を受験することになります。
この試験は、論述式の出題形式であるため、ただ暗記するのではなくしっかりと理解を重視しながら学習を進める必要があります。
短答式試験と違って、浅く広く学ぶのではなく、論文式試験は、狭く深く学ぶイメージを持っていただければわかりやすいです。
短答式試験から理解を重視して勉強してきた人にとっては、とっつきやすい試験となるでしょう。
試験当日は3日間あって、下記のような日程となっています。
1日目:監査論(120分)、租税法(120分)
2日目:会計学(財務会計論:180分・管理会計論:120分)
3日目:企業法(120分)、選択科目・経営学(120分)
試験時間も長く、耐久力が必要です。
会計学(300点)
短答式試験で覚えた財務会計や管理会計の基準や概念の知識を基礎として、
その背景にある理論や考え方が問われます。
午前と午後の部に分かれており、試験時間は300分となっています。
配点が他の教科と比べて3倍であるように、論文式試験で最重要科目です。
「会計学を制するものは会計士試験を制する」といわれているくらい重要な科目になっているのでしっかり対策をする必要があります。
監査論(100点)
監査論では、財務諸表論や監査基準など法令に関する問題が出題されます。
監査の概念や基準、あるシチュエーションで適用される監査手続きが提示され、その背景にある理論を説明しなければなりません。
試験時間は120分で、出題数と配点は大問2問100点です。
試験では法令基準集が配布されるため、法令の内容を調べることができます。
しかし、時間に対して問題の量が多いため、時間をかけて内容を調べられないことを認識しておきましょう。
企業法(100点)
企業法は、会社法・商法・金融商品取引法を試験内容とした科目です。
会社法に関する問題が多く出題され、商法と金融商品取引法においては一部のみが試験範囲になっています。
試験では理論問題が出題され、計算問題はありません。
問題文では、あるシチュエーションが示され、そのシチュエーションにおける法令の効力や適用可否について説明する問題が出題されます。
試験時間は120分で、出題数は大問2問で100点です。
租税法(100点)
租税法では次の3つの法令について出題される傾向にあります。
計算問題と理論問題が出題され、配分は6:4程度です。
理論問題では根拠を問われる問題が出題されます。
また、条文の根拠を求める問題もあるため、理解力が問われるでしょう。
試験時間は120分で、出題数と配点は大問2問100点です。
租税法の計算問題は、練習を重ねれば重ねるほど点数が上がる性質のある問題となっているので、ここで点数を稼ぐ方が多いです。
経営学(選択科目)(100点)
企業そのものや企業経営のあり方にフォーカスした学問です。
企業が取る行動について実態面から分析する学問であり、
経営戦略論、モチベーション理論、リーダーシップ論、コーポレート・ガバナンス論、ファイナンス理論など、幅広い分野を研究対象
として扱います。
そのため、基本的な要点を広く浅く網羅した勉強をしておくことが大切です。
時事問題が取り上げられることも多いため、最新の企業動向にアンテナを張っておくとよいでしょう。
選択科目は、経営学、経済学、民法、統計学から選ぶことになりますが、
特にこだわりがなければ経営学を選択することをお勧めします。
受験生の9割は経営学を選択しているといわれています。
その理由として、専門分野がない経営学がいちばん学習量が少なく、専門性も低いため、得点が取りやすいなどが挙げられます。
勉強期間
最短2年で合格することが可能です。
具体的に私は、大学1回生の12月から勉強を徐々にスタートさせて、大学3回生の5月に短答式試験に合格、8月に論文式試験に合格しています。
私の受けた試験ではコロナの影響により、12月の短答式試験が消滅してしまったのでこのようなタイトなスケジュールとなっていますが、
12月の短答式に合格し、翌年8月の論文式に合格するのがスタンダードだと思います。
平均勉強時間は約3,000時間と書かれている記事を見かけますが、これは嘘だと思います(笑)
私は大学2回生の4月から、毎日10時間以上は勉強することを決意し、本当に成人式以外はそれを実行し続け、ギリギリ合格することが出来ました。
なので、単純計算で行くと10時間×16か月×30日=4,800時間以上は勉強していたということになります。
一発合格で上記の勉強時間になるので、2,3回受けている人たちは10,000時間を超えることもあると思います。
勉強を始める前の注意点
後悔のある選択はしてほしくないので、公認会計士試験について、
注意点を下記にまとめました。
・公認会計士試験の内容や難易度などを理解せず、予備校の勧誘にのってしまい勉強を始める
→このような人はおおよそ途中で脱落します。
しっかりと下調べをしたうえで決断しましょう。
・公認会計士試験の内容や難易度など理解したうえで、それでも私は挑戦したい!公認会計士に絶対絶対なりたい!と決断した方
→最低2年間、勉強だけにコミットできる環境を作りましょう。
それから予備校の公認会計士講座に申し込んで勉強をスタートさせましょう。
・公認会計士試験の内容や難易度を理解したうえで、挑戦したい気持ちは山々だけど、自分にできるのか不安。会計が自分に合っているのか知りたい方
→簿記検定2級を受験してみましょう。
この試験で会計士試験のメイン科目である会計学の分野に触れることが出来ます。
受けてみて自分にもできそうだと思った方は、
予備校の公認会計士講座に申し込みましょう。
終わりに
公認会計士試験の概要に関する説明を読んで、
自分には無理だ。。。
努力を継続することが出来ない。。
どうせ頑張っても無駄だ
という気持ちになった方もいるでしょう。
そんな方は、一度視点を変えて、冷静に考えてみてください。
人生100歳まで生きるとして、
そのうちたった2%を公認会計士試験勉強に全力を注いで、合格すれば、将来の様々な選択肢を増やす最強のカードを手に入れることができます。
残りの人生の選択肢が無限に広がり豊かなものとなるでしょう。
また、難関資格に合格したという事実が、あなたの人生の自信となり、誇りをもって生きていけるでしょう。
合格率が低くそこまで到達する人が少ないからこそ、価値があるのです。
誰でも合格できる試験に合格したところでなんの面白味もありません。
難関であるからこそ、合格した時の喜びは想像を超えるものとなるのです。
公認会計士に興味を持ったあなたは、
おそらくとても向上心があって、意識が高い方だと思います。
公認会計士試験は、チャレンジ精神のあるあなたにぴったりの試験だと思います。
公認会計士業界は、そのようなチャレンジ精神のある人材、逆境に立ち向かうことのできる人材を求めているのです。
この試練を突破した時に見える景色は今見ている景色とは全く違う世界になります。
無敵になれます!!
そんな人生を送ってみたくないですか?
この記事をみて、試験の内容や難易度について理解し前述した注意点を読んだうえで、
自分はできる!!やってやるぞーー!
と燃えてきたそこのあなた!!!
すぐに行動しましょう!
早く勉強を始めて早く合格することに越したことはありません。
悩んでる時間なんてないんです!
この試験は絶対に合格したい!!という強い気持ちを持つことが一番大切なことだと思います。
精神論となってしまっていますが、本当にそう思うのです。
その熱を保ちつつ、輝かしい未来だけを目指して頑張ってきた者のみが手にすることが出来る最強の資格となってます。
ただ公認会計士になることがすべてではないので、内容を知って自分に合わなかったり、ほかにしたいことがあるのなら、そちらを優先するべきでしょう。
公認会計士になることを決断した方は、経験者であるこの私が全力で応援します。
皆さんの勇気ある挑戦をお待ちしています。
最後まで読んでいただきありがとうございました(^^♪